Plover Cycles Blog

ロードとMTBとシクロクロスと。

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第5回 ほたか牧場MTB20時間耐久(ゆるゆる)レース

尾瀬スポが主催する「ほたか牧場MTB20時間耐久(ゆるゆる)レース」に参加。
ozesp.com

2019年6月29日 (SAT)~6月30日(SUN)
天気は濃霧のち雨。気温最高2?度、最低1?度。
そこまで寒くもなかったので最低は17~18°程度かも。

ロケーション
もとスキー場だけあって結構な標高。濃い霧に包まれ幻想的な風景。各チームにひとつバンガローが割り当てられ、晩ご飯と翌日の朝ごはんは十分量の食材を貰える。ご飯は外でバーベキューとなるのでタープ、テーブルと椅子、火器類が必要(レンタルもあり)

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濃霧の森の中を走る
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これで晩御飯四人前

コースとレギュレーション
コースは半分ほどが元ゲレンデ、残り半分がシングルトラック。朝方に登山客を見かけたので普段は登山道なのかも。根っこやガレも無く非常にスムーズ。シクロクロスでも走れそう。バンガローの中を走り、自分たちのバンガローのところで選手交代。バンガローでのんびりしつつ、選手が通ったら声援を送るのがここ流のようだ。スタート直後は比較的しっかりした路面も、しばらくするとゆるゆる、地面にグリスを撒いたような状態。ウェットでの経験値を鬼のように積める。

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ゆるいスタート

2時スタート、翌10時ゴールの20時間。
夕方6時から翌朝6時までの12時間が短縮コース。

チーム
参加したのは16チーム(うち個人1名!)
楽しみ方は思い思いで、暗くなると同時に走るのをやめて宴会はじめるパターン、ひたすらガチ、ノープランっぽいところとほんとバラバラ。

運営
かなり緩い。良い意味でアットホーム。周回ごとに「はい頑張って~」と声を掛けてくれたり賞品が地元で採れた食べ物だったり。

機材
季節が季節なのでウェットタイヤ必須。今回はコンチネンタルマッドキング(1.8inch)を用意。国内ではダウンヒルタイプしかないが、ガイツーだとXC用がある。細身でノブ高、1度も泥づまりが無かった。走っていても安定感が高かった。正直これがなかったらコケまくって心が折れたと思う。

ライトは車体2系統(キャットアイエコノムフォースとガシロン800)、ヘルメット1系統(VOLT400)の合計3系統を装着。夜間ちゃんと走るならこれが最低限かなと思う。特にシングルトラックセクションではヘルメットライトで曲がる先を照らさないと怖くて走れない。明るさはガシロン800が最も明るかったが、3時間ぴったりでバッテリーが無くなった。4人で出走すれば夜間の一人あたり持ちうけは3時間なので、バッテリーのライフはそれだけあればなんとか大丈夫。

大型のフェンダーは中華の安いのを用意。フロントは上手く固定出来ずタイラップで無理やり固定。転ぶとタイラップが切れてプラプラになったので、もう少し工夫が必要。

終わったら速攻ヘッド、チェーン、BBのメンテすること。しないと間違いなくダメになる。

装備
ウエアは出走回数分だけ必要。できれば汚れても良いウエアが望ましい。昼間は袖を切り落としたワークマン撥水ヤッケ(上)を羽織り、夜は気温が低いのと体温上がるほど攻められないので上はゴアテックス、下はワークマン撥水ヤッケ。湿度がほぼ100%なので何をしてもビショビショになる。カッパ上下、フラットペダル+ゴム長靴というスタイルで走る人も結構見かけた。

その他
走らない時間もかなりあるので、長時間快適にすごす工夫が必要。雰囲気を楽しむならおしゃれキャンプグッズも良い。濡れたものを吊るす洗濯ハンガー、ゴム長靴、安いLEDランタンをたくさん用意する、テムレス、などなど。どちらかというと農家グッズみたいなものが役に立った。疲れると判断力が低下するので食器類は紙皿と割り箸にしちゃうとかも有効。

キャンプとMTBの楽しさの両立、ウェットな夜走行というレアな経験値、チームメイトとグダグダビール片手に語るなど、普通のイベントにはない良さがあった。正直まったく儲かってないイベントだと思ったが、すごく良かったのでまた来年以降も続いてほしいし、興味を持ったら参加してほしい。

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ハリーポッターかな?

SDA王滝2019棚卸その2 ゼファール ボトルケージホルダー

王滝棚卸その2
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https://www.amazon.co.jp/dp/B01K7T2JOI/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_Np4aDbKJF7ZRA


ツールケースを取り付けるために購入。もともとバイクにはボトルケージがひとつしか取り付けられないため、こういったパーツが必要になる。


ブルベやロングツーリング派には一定の知名度があるが、MTBライダーの間ではほとんど知られていないパーツみたいだ。見た限りでは王滝で使ってる人は自分以外1人も見かけなかった。


取付はダウンチューブ下に。
シートチューブとかトップチューブ下とか色々試してみたが、クリアランス上そこしか無理だった。ツールケースの中身はチューブ、CO2、携帯ツールなど、比較的重量があって使用頻度が低いものを。サドルバッグにはウエアを中心に入れ、低重心化も図れたと思う。


中華カーボンボトルケージ(固定力かなり強め)と、SHIMANOのツールケースを取り付けて王滝投入。レース中一度も落ちず満足な結果に。固定ベルトとフレームの隙間に砂が入り塗装に傷が付くので、フレームにビニールテープ等を巻いてから取り付けた方が良かったようだ。


ダウンヒルでかなり飛び石があり、ダウンヒルチューブやクランクにかなりの勢いでヒットしたが、これのおかげでダウンチューブには大きなダメージなかった。副次的効果だが、フレームプロテクターも兼ねてむしろ積極的に使っていくべきパーツかも。


ボトルケージを締め付けると固定される形式のため、つけっぱなしにするか、完全に外すしかない。外しても、一般的な長いタイラップで再固定できそう。見た目はちょっとあれだが、当面付けて運用するつもり。里山仕様ではドロッパーシートポストを付けるのでサドルバッグが取り付けられない。こういった形でバイクにツール類を取り付けられるのはメリット大きい。

SDA王滝2019棚卸その1 中華カセットスプロケット11-50t

王滝棚卸その1


ZTTOの中華カセットスプロケット(11-50t)
s.click.aliexpress.com


王滝には、フロントシングル32t、SLXカセットスプロケット(11-46t)との組み合わせで出るつもりだった。しかし、直前になって、長時間の登りがある王滝ではこの組み合わせは辛いと判断。もっと大きな11-50tを購入しようと思ったが案外選択肢がない(当時11速だとシマノは46tが最大だった)。無くはないけどどれも高すぎる。
てことで中華系メーカーからチョイス。ブランドはZTTO。SUNSHINEとか複数のブランドから同じものが発売されている模様。シマノ/SRAMの11速コンパチで、通常のシマノフリーに取り付け可能。

価格

確か独身の日か何かで8000円くらいだったはず。

重量

実測で373g。シマノのXT(CS-M8000 11-46T)が437gなので、相当軽い。
ZTTOの構造はロー側4枚が一体型のアルミ削り出しで、残りはスチール系。アルミの削り出しパーツが多いのが軽量化に寄与してそう。

組付と調整、変速性能

手持ちのSRAM NXディレイラーではキャパオーバーなため、おまけで届いたエクステンションを取り付けてディレイラー位置を下げる。調整は雑でもそれなりにきちんと出来た。
中華カセット、シマノチェーン、スラムディレイラー(しかもキャパオーバー)というめちゃくちゃな組み合わせにも関わらず変速性能は良好。シマノと変わらないと思う。

実走

王滝100kmで使ってノートラブル。懸念していた耐久性は、表面塗装が少しハゲた程度。ウェットコンディションだったので、後半チェーンのオイルが切れてロー側の変速がややもたついたのが少し気になったくらい。中華系パーツ、本当に年々クオリティが上がってるのを感じる。もう何年かしたらきちんとブランドネーム名指しで評価されるようになるかもしれない。

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王滝100㎞直後のカセットの状態



【追記】
このカセットは1000㎞ほどで摩耗が目立ってきました。
次は中華のスチールモノブロックカセットを購入
behind-the-bar.hateblo.jp

SDA王滝 2019

f:id:kisuke1234:20190610082239j:plain2019/06/09
SDA王滝100キロ。初参加。気候は曇後雨。気温最高19度。


タイムは6時間半ちょっとで上位25%ほど。リザルトはともかく、ノートラブルで走りきれたのが何より良かった。


以下、振り返り

ウエア
チームジャージ、シマノシューズは使い慣れてるので問題無し。トレラン用のベストを着用し、補給は全てそこに。バックパックより身体への負担が少なく走りやすい。
ぶっつけ本番で投入したスペシャライズドのボディジオメトリグローブが失敗。パッドが厚すぎて手を圧迫する上にダウンヒルでハンドルを上手く抑えられず。今回の反省は、身につけるものは使い慣れてるものに限定すべき、という当たり前のこと。
雨具は持っていったが、ゴールまで降られずに済んだため着用無し。7時間以上走ったライダーは相当降られたと思うのでこれは幸運だった。


機材
VITUSのアルミ29er、タイヤはコンチネンタルXキングプロテクション。中華パーツで並列ボトル化。中華カセットスプロケット(11-50)、シリコングリップ、オルトリーブのサドルバッグM。
ビビりが入ったこともありダウンヒルが不安だった。タイヤは2.4インチくらいあると安心かも。並列ボトルはトラブル無。中華カセットスプロケットもきっちり変速し、砂が噛み込んでも問題無し。シリコングリップはスペシャライズドのグローブと相まって太すぎ、結局半分近く素手で走ることに。オルトリーブのバッグは樹脂の固定パーツが下りの振動でズレ、タイヤとバッグが擦れて走行中擦れる音がストレスに感じた。ゴール後確認したらバッグに穴が…。
かなり腰が痛くなってしまったので、ポジション面をもう少し研究してXC寄りにしても良いかも?


補給
SAVASのゼリー15個(1500kcal分)、コンビニ羊羹1つ(180kcal)。30分にひとつ食べるペースで最終的にゼリーが2個余った。ハンガーノックにはならなかったが、途中空腹感を感じたので、固形物も摂りながら走った方が良いかも。ゼリーは開封するのが大変で、手間取ってる間にパックから落ちてしまった。ここはフラスコを使うのが正解だと思う。
ドリンクは1L用意して、ほんの少し残った。晴れていれば倍必要だったろう。


その他
スタートの位置取りがとにかく重要。スタート地点でだいたい100番手くらい。パレードランでもう少し上げてコースに入れた。おかげでリアルスタート後の混雑にほとんど巻き込まれなかった。抜かれるより抜く方が大変なのでこれはかなり有効。
サイコン読み88km時点でゴールしてしまい、拍子抜け。SDA王滝は毎年少し短いものらしい。分かっていたら80kmあたりからもう少し踏めば良かった…
ダウンヒルでパンク、落車を相当見かけた。リアタイヤをロックさせるようなハードな走りをすると尖った石にタイヤが傷められパンクに繋がる。ベテランは攻めすぎず抑えすぎずの走りをしているように感じた。タイヤマネジメント超重要。パックで走っているときは、落車に巻き込まれないよう、なるべく前の方にポジション取りたい。
ウエイトコントロールが満足に出来ず、4kgほど重くなったのは失敗。これで10分前後変わるのではないだろうか?


さぁ、9月の秋王滝に向けて、準備をしていかなくては。

【追記】秋王滝も走りました
behind-the-bar.hateblo.jp

重量17.9kgのe-MTB Lapierre eZesty

海外モデルですが魅力的なe-MTBを見つけました。Lapierre eZesty AM というモデル。フルサスでなんと重量17.9kg!先日試乗したメリダのフルサスe-mtbが約25kgで乗ってがっかりしたのでとんでもない軽さです。
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Lapierre eZesty AM

日本語記事も見当たらなかったので、さらっと紹介しておきます。

ラピエールって

もちろん知らない人のいないフランスの自転車メーカーLapierre(ラピエール)。ロードでは長年FDJ(2019年のチーム名はグルパマ エフデジ)の機材サポートをしてます。ロードだけでなくMTB、シティ、電動アシストまで幅広く発売している総合自転車会社。ブリジストンかな?
https://www.cycles-lapierre.fr/

どうでも良いんですがブリジストンアンカーはどうなっちゃうんでしょうか?流行りのエアロロードもディスクロードもフルサスMTBもe-bikeもリリースしてません。アンカーの2019年モデルは全て「2018年モデルのカラーチェンジ」です。ニューモデルが無い!2019年モデルの開発予算ゼロですか?いずれ身売りか撤退か…そんなネガティブな思いを抱いてしまいます。

話が逸れました。そんなラピエール、MTBの開発ライダーになんとニコラ・ブイヨが所属しています。20年くらい前のダウンヒルで勝って勝って勝ちまくってたフランス人選手です。今のアーロン・グウィンみたいなポジションの伝説的ライダーです。そんなニコラ・ブイヨも開発に関わったのがeZesty。この時点でもう普通に良さそう。

スペックと特徴

カーボンフレーム、前後サストラベル150mm
コンポーネントSRAM GX(eZesty 9.0)
PUとバッテリーはダウンチューブに収まり、取り外し可能
PUを外して空になったダウンチューブはストレージとして使用可能(!)
PUとバッテリー込の車体重量17.9kg、除いて15. kg
電動アシストパワーユニット(PU)はFAZUAを採用
PUのアシストモードは3種類(125W、250W、400W)
バッテリーは250wh、1.4kg
FAZUAというパワーユニットは初めて聞きました。シンプルで軽量、どことなくモータードーピングっぽさがあります。既存のe-mtbと比較してパワーは無いが軽量で、ノンアシストmtbと同等の下り性能を追求している、というコンセプトのようです。
また、PUとバッテリーを外せることで、ゴンドラのある常設コースでは通常のMTBとして、上りのある自走トレイルではe-mtbとして、といった使い分けが可能のようです。

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PUは3つに分かれダウンチューブ内に収まる

ジオメトリー

車格はメリダのeONE SIXTY 800と近いかな。ヘッドアングル65.5°はかなり攻めてる感ありますね。エンデューロ、オールマウンテンカテゴリー。ついでに先日作ったe-MTB比較表に入れて比べて見ました。

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Lapierre eZesty AMのジオメトリー

インプレッション

ebike-mtb.comにはインプレッションが掲載されてました。かいつまんで訳すと
「トレイルでのハンドリングは素直で、現代的エンデューロバイクとの差は極小だ」従来のe-mtbでは苦労するようなライン取りも容易に行える。リアサスはフワフワしていてユニット変更かセッティング調整が要る。シートチューブが寝ていて登りはジオメトリー的に厳しい。電動ユニットのアシストは良好だ。もちろん、BOSCHユニットと比べると非力さにがっかりしてしまうと思う。最強のロケットモード(400W)でも、BOSCHのツアーモード(4段階のうち下から2番目)と同程度に感じる。60Nmのトルクは、急勾配をハイギアで上りはじめるようなシチュエーションでは力が足りない。時速25キロでアシストが切れるがその感触は自然だった。バッテリーの持ちに関して…ラフな設定だが、体重70~75kgのライダーが、急な登りと緩やかな林道の登り、ややウェットなシングルトラックなどを走るとして、だいたい獲得標高1000m、距離30kmほどになるだろう。
eZestyは、BOSCHユニットを搭載した従来のe-mtbとノンアシストmtbのちょうど中間にある。対象ユーザその1。登りでほんの少しだけアシストが欲しいが下り性能は犠牲にしたくないノンアシストのトレイルバイクやエンデューロバイクに乗るライダー。対象ユーザその2。既にBOSCH/SHIMANOユニットのe-mtbを持っているが、エコもしくはノーマルモードしか使ってないライダー。彼らはより軽量なバイクを求めているはずだ。


いいじゃんいいじゃん、こういうのが欲しいです。もちろん海外モデルなので日本での展開は今のところ期待出来ません。日本の規制に必要な、速度に応じたアシスト率変更が出来なさそう。しかし他メーカーがこのコンセプトに追随してくれれば、いずれ日本のマーケットにもこういったバイクが進出してくるでしょう。今後に期待できます。

それと、今回海外の記事をぱーっと読んだ印象ですが、e-mtbは既存のMTBとは全く異なるジャンルとして捉えられているみたいですね。どちらかというとモーターサイクル寄りのポジション。

そういった意味では、このLapierre eZestyは旧来の乗り方に慣れた既存ライダー向けのプロダクトで、今の乗り方、今のフィールドという枠から逸脱するものではありません。

先日e-mtbを試乗して、正直かなりがっかりしました。しかしもしかすると自分はMTBはこうあるべきだって既成概念に囚われているのかもしません。「全然曲がってくれないけどすげーパワーだしこれはこれであり」って思えなかった。「全く新しい乗り物」だということを受け入れられるか否かで、その人の電動アシストバイクに対する評価が大きく異なってくるような気がしますね。

これから誰も思いつかないような新しく斬新な市場を作っていくのはeZestyではないですね。それはBOSCHなりSHIMANOなりのユニットを搭載した、よりモーターサイクル感のある“パワフルな”電動アシストバイクが担うと思います。メーカーもユーザーもこれから試行錯誤して新しい遊び方を考えていくのかもしません。まぁまだ買いませんが

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PU外してストレージとして活用するの図(笑)

*1:mbr.co.ukの記事では17.9kg、cyclesuperstore.ieでは18.4kg、ラピエールの本国サイトでは18.9kgとなってました。どれが正しいのかな?

SHIMANO PD-M8040 フラットペダル SM

MTBを再開してすぐに購入したナイロンのペダル、だいぶんガタガタしてきました。ブッシュがすり減ってきたのでしょう。安くて食いつきもそこまで悪くなかったので、同じものを買い直しても良かったのですが、せっかくなので別のペダルを購入することにしました。

購入したのはSHIMANO PD-M8040、XTグレードのフラットペダルです。XTRのフラットペダルは設定が無いので実質シマノ最高グレードと言えます。あ、SAINTからダウンヒル用ペダルが発売されてますが、里山使いにはオーバースペックでしょう。

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SHIMANO PD-M8040 SM

やんちゃな雰囲気が支配的なMTB界隈において良い子ちゃんイメージのシマノ、そこまで魅力的にも見えないんですが…今回はリファレンスモデルとしての購入の意味合いが強いです。何かと比べる際の指標。これよりパフォーマンスが良ければ高額でも価値があるし、悪ければ値段が安くても意味が無い。


サイズはSM/MLの2サイズ展開
SM=靴のサイズ36~44
ML=靴のサイズ43~48
私の靴のサイズが42.5なのでどっちでも良いのですが、今回はSMをチョイス。

各部のサイズを計測して今まで使っていたナイロンペダルと比較してみました。

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ペダルスペック


小さいタイプですが、踏み面は充分あるようです。今まで使っていたナイロンペダルと同じか、少し大きいくらいでしょうか。
ピンで囲まれた面積(有効踏み面積)をラフに計算してみました。
ナイロン=約57cm²
M8040=約67cm²
面積ベースでおおよそ17%大きいです。結構違いますね。安定感に寄与しそうです。


厚みは外周で19mmと少し厚め。フラットな形状かと思いきや、コンケイブがうっすらと付いていました。厚みが外周と中央で1mm違います。意味の有る無しはともかく、他社には真似出来ないことをさらっとやるところがシマノの恐ろしいところです。
ペダル表面は「DEORE XT」のロゴと共に細かな溝がプリントされてます。この溝はグリップを確保するためでしょうか。


重量は実測443g。ペダルシャフトはペダルボディの3分の2ほどで終わっていて、そこから梁のように斜めにステーが延びてボディを支えています。ペダルシャフトはクロモリ製なので、ここが短いのは軽量化に貢献しますね。クランクブラザーズのSTAMPシリーズなんかも同様の構造。いちおうボディに肉抜きはされてますが、程々といったところ。


ピンは長短2種。本数は片面10本。ピンはMTBで使うなら5mmのロングタイプ一択になると思われます。短いタイプは食いつきがほとんど期待出来なさそうなので、街乗りや通勤ユースですね。ただ、表から締め込むピンなのはマイナスです。ネジ山が潰れやすく潰れたら交換がかなり厳しくなります。

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ピンは六角レンチでねじ込むタイプ

ベアリングはヌルヌル。これぞシマノ!というスムーズな感触です。ベアリング部が非常に精密なのとダストシールが固めなのが合わさってこういうタッチになるんでしょうね。
シュルルルル〜と回る高級ペダルは防塵性をかなり犠牲にして軽さを演出しているケースが多いので、砂・泥・埃・水に塗れるMTBペダルではシマノのような堅実さは重宝します。


さっそくプレイバイクに取り付けて乗ってみました。…うん普通ですね。普通に食いつくし普通の安定感。食いつきはナイロンより上ですが、SPDばりにがっちりというわけでもない。厚みはそこまで意識しませんでした。ただ足裏が疲れます。ナイロンペダルはボディがしなって吸収してたんでしょう。フルサスはともかくハードテールやプレイバイクはナイロンもありかも。
ピン10本あるうち、内側の2本は使いませんでした。そこまで内側に足を乗せるとクランクとシューズが触れるし母指球がピンで押されてることを強く感じます。せっかく有効踏み面積計算したのに意味ない…。食いつきが良いと感じたのはおそらくピン長がナイロンペダルより長いからかな。

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プレイバイクに取り付けて公園トライアル


シマノパーツは抜群の耐久性を誇りますし補修パーツも手に入りやすいです。税抜き8,696円とけして安くはありませんが、これ買っておけば安心なんじゃないかなと思います。

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永らくお疲れ様でした!

電動アシストMTB 3台乗り比べ

先日、代々木で開催された「アウトドアデイジャパン」に行ってきました。中でサイクルベースあさひが実施していた電動アシストバイクの試乗をするためです。
https://outdoorday.jp/

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アウトドアデイジャパン@代々木公園


今回は、電動アシストのMTBを中心に試乗しました。YAMAHA「YPJ-XC」、Panasonic「XM-D2」、MERIDA「eone SIXTY 800」の3つです。

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YAMAHA YPJ-XC

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Panasonic XM-D2

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MERIDA eone SIXTY 800

3台のスペック

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パワーユニットは3者3様。実際試乗でもこのキャラクターの違いを明確に感じることができました。今回ボッシュとバーファンが試乗できなかったけど、日本でシェアを取っていくだろうこの3つを試乗できたのはベンチマーク的な意味でも大きいです。
ジオメトリーを見ると、YAMAHAがもっとも車格がコンパクト、MERIDAがもっとも大きいです。タイヤがPanasonicとMERIDAは27.5+規格のため、さらに大きく感じます。MERIDAはフォワードジオメトリーとも呼ばれる最近の流行りのもの。長めのフロントセンター、寝たヘッドアングル、短めのステムでライドフィールはコンパクト。
乗る前は、最新規格てんこ盛りのメリダが最も印象が良いだろうなと思ってました(フラグ1)

ルックス評価

ルックスはMERIDA>PanasonicYAMAHAです。MERIDAはさずがMTB専業メーカー、圧倒的にカッコイイ。往年のカワサキモトクロッサーを彷彿とさせるグリーンの車体、バッテリーまで含めたダウンチューブのデザイン、控えめに言って最高です。Panasonicもそこまで悪くない印象でした。でもなんかこう、地味かな。YAMAHAはダサいの一言。10年前のデザインです。別に試乗しなくても良いかなって思ってました(フラグ2)


んで、実際乗ってみて。

コーナリング評価

YAMAHAPanasonic>MERIDA
悪いことから書きます。MERIDA全然曲がりません。コーナリングでどんどん外に膨らむ。曲がらなすぎて正直怖い。トレイルで崖下に転落するイメージしか持てませんでした。えーと正直これは欠陥商品だと思う。車だとFF車は直進安定性が高くてアンダーステア傾向、とよく言われますけど、そんな感じ。フロント長めでフロントヘビー、車体を振り回しても全然追随してくれない。
一方、YAMAHAはコンパクトなジオメトリーで、ヘッドアングルも立っているためにコーナリングが1番クイック。Panasonicはその中間。曲がらないけど、メリダほどでもないかな?まぁでも曲がりません。

電動アシストユニット評価

YAMAHAShimano STEPS(MERIDA)>Panasonic
YAMAHAはアシストがかなり自然。「あっおれ今日は脚が良く回るな」という気分で踏めます。ただし、一番アシストが強いEXTPモード(エクストラパワーモード)と言うのだけ別枠。これはもうエンジン付きに乗ってる気分。営業の方が「EXTPモードは絶対試してください!」と一押しするだけあります。これは本当気持ち良い。踏んだ瞬間にギュンと加速。フロントがポンポン浮く。3台の中で唯一ウィリー出来ました。
SHIMANO STEPS(MERIDA)も比較的ナチュラルなアシスト。さすがシマノYAMAHAとの差はエスクトラパワーモードの様なドッカンパワーモードが有るか無いか、くらいなんじゃないかなと思います。一番強いモードでウィリーチャレンジしましたが、一瞬3cmくらい浮いたかな?という感じ。
Panasonicはアシストと脚の動きにギャップ。踏んだ瞬間に追随しない上、脚を止めてもアシストが残るような。単調な登りなら不満なさそうですが、漕ぎと脚を止めることを繰り返すテクニカルなセクションではストレスになりそう。一番強いモードでウィリーチャレンジ→一瞬たりとも浮くことは叶わず。フロントサスがものすごくソフトなセッティングだったのも影響しているかな?営業の方との会話も含めPanasonicが一番分かってない感が…。

総合評価

YAMAHAPanasonic>MERIDA
もうダントツYAMAHA!ダサいとか言って申し訳ありません。コーナリングはそこそこクイックで、EXTPモードに入れれば重量を全く感じさせない運動性の高さ。これなら普段走ってるトレイルでも十分活躍してくれそう。エンジンと言う重量物を懸吊したモーターサイクルに関する長年のノウハウがあったからこそなんでしょうか?それとも10年前のデザインに電動アシストユニットを載せたら、たまたまそうなっただけ?
PanasonicとMERIDAは全然ダメ。既存の乗り方とは全く違う操作方法をマスターしないといけないのかもしれない。例えばコーナーでは脚を出すモトクロススタイルとか、後輪を滑らせるとかね。


正直、事前予想とは全く異なる印象を受ける結果となりました。
やっぱり乗ってみないとわからないですね。

電動アシスト、買う?買わない?

一つ分かったのは、ノンアシストで受け入れられているバイクのジオメトリーにそのままアシストユニットを載せたからそれがそのまま良いバイクになる訳ではない、と言うことです。10kg近いモノがBBより前に乗っかるんですから当然ですね。今後、電動アシスト車専用ジオメトリー、専用サスペンション、専用ポジションが必ず用意される日が来るはずです。今年からエンデューロでもE-bikeクラスが新設されますし、ノウハウは一気に蓄積されるでしょう。それまでは、急いで購入するはないかな。

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競技場は2020オリンピックを控えて改装中

*1:Panasonicのスペックについてはフレーム製造元と推定されるFLYER社のUproc4を元にしました